“Going on a bear hunt! Going on a bear hunt! We’re not scare!!(クマを狩りにいこうか!クマを狩りにいこうか!私たちは怖くないよ!)”
元気な掛け声が、キャンプ最終日の夕方、静かな余島にこだましていた。各グループやリーダー達からの出し物で盛り上がり、キャンプを過ごしてきた各々が、一緒に過ごしてきた仲間達を楽しませるためのスタンツナイトは、この日も大盛りあがりだった。「クマ狩り」の出し物は、探検隊がクマを狩りに行く珍道中を演じるものだ。泥を顔に塗ったり、水をかぶったりする体当たりの演技で、いつもはリーダーによる出し物だった。この日スタンツナイトの大トリを飾ったのは、初日にリーダー達のクマ狩りを見て、それを自分たちでアレンジした女の子グループだった。会場は湧いた。大いに湧いた。笑顔が弾け、そこにいることが幸せだと誰もが感じた瞬間だった。
第9回目を迎えたパートナーキャンプは、これまでのキャンプに参加した福島の中高生が、指導者として参加してくれたおかげで、さらに素晴らしいものになった。彼ら彼女らの意気込みは、大人がたじろいてしまうほどだった。私たちも真剣にその挑戦を受けた。「小学生の時のキャンプが本当に楽しかった。みんながしてくれたように、リーダーになって恩返ししたい」誰もが口を揃えてそう言った。
今回30名の子どもたちと14名の中高生リーダーが福島から参加した。キャンプ参加後のアンケートに、これまでにない項目を追加した。
「あなたは将来リーダーとなってキャンプに参加したいですか?」
その問いに全員が「はい」と答えた。「LIT(Leader in Training)で参加してくれたお兄さん、お姉さんに憧れて、次はリーダーで行くと今から張り切っています」そうメッセージを寄せてくれる保護者もいた。思いや願いが形なっていくサイクルが生まれたのだ。そして神戸から参加した中高生、大学生リーダーもまた、大きな仕事をやり遂げた。これまでの「キャンパーを導く」という役割から、「キャンパーを導くリーダーの候補生たちを導く」まさに「パートナー」という役割をキャンプの中に見出しのだ。共に悩み、指導者とは何であるかを考え、実践する姿は私に次のビジョンを示した。
「あなたは将来、キャンプで経験したことを生かして、どんな人間に成長していきたいですか?」
きっとみんな、驚くほど勇敢な答えを内に秘めているに違いない。今はまだ夢のようなこの問いが、近い将来現実のものとなって、懐かしい面影を残した精悍な顔つきでまた、キャンプに現れてくれることを楽しみにしている。
キャンプディレクター 阪田晃一(神戸YMCA)
第9回 I’m a Partner Summer 2017
日 程:2017年7月29日〜8月2日 4泊5日
於 :YMCA余島野外活動センター
招待数:福島の中高生14名、小学生30名
※福島保養プロジェクト(コープこうべ、ユニセフ、YMCA共催)と同時開催
ボランティア数:23名(当日述べ人数)
費 用:1,356,000円(寄付金・参加費・協賛金)
内よしましよ800,000円
主 催:神戸YMCA
協 力:パートナーお一人おひとりの皆さま
Ladies & Gentlemenよしましよ、学校法人啓明学院
サントリーホールディングス㈱、余島キャンプOBOG会、生活協同組合コープこうべ、兵庫県ユニセフ協会
NPO法人ルワンダの教育を考える会
㈱光陽社、㈱毛利マーク、non-standard world, Inc.
ワイズメンズクラブ西日本区六甲部
公益財団法人本YMCA同盟、
社会福祉法人神戸YMCA福祉会、学校法人神戸YMCA学園