勇敢な子どもたち
暑い暑い余島の海
真っ白な砂浜と、子どもたちの歓声
海と戯れ無邪気に笑う 青空の下 そこはまったく正しい世界
一人、海が怖いと、海に入らず見学する男の子がいました。
そしてもう一人、喘息のため、同じく浜辺で見学している男の子がいました。
私は彼に、「あの子が海を怖がっているらしい。何でか知ってる?
彼は私に、「何か前に怖い思いをして、って言ってたよ」
私は彼に、「そうか。(彼に)何かできることがあれば、してあげて。」
しばらくすると彼は、喘息が悪化するのを承知で、炎天下の中を、
砂浜を行ったり、来たり。
少しずつ、少しずつ、足を海につけ、水を掛け合い、
気がつくと二人は、私の前に立っていました。水着を着ていなかった喘息の男の子は、そのままの服でいいから、
怖がっていた彼も、気が付けば水着になっていました。
足をつけ、お互い遠慮がちに水をかけあいながら、笑顔で遊ぶ ふたり
すると今度は、グループの仲間が、全体水泳を抜けて、
怖がっていた彼は、恐る恐る、
彼を迎えた仲間たちは、恐る恐る、彼をマットに乗せました。
しばらくすると、海ではしゃぐ、子どもたちの姿がありました。
その中心には、もう海が怖くない、笑っている男の子がいました。
そしてその周りには、
「海が怖い」
そう言われた時、私たちは何もできないかもしれない。と思いました。
しかし そうではなかった。
子どもたちは勇者のように、未知の領域へ挑み、仲間とともに、見事に乗り越えてしまったのです。
きっと私たちはできる。
子どもたちと、未来の中で。