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勇敢な子どもたち – Summer 2014

pa0210勇敢な子どもたち

 

暑い暑い余島の海
真っ白な砂浜と、子どもたちの歓声
海と戯れ無邪気に笑う 青空の下 そこはまったく正しい世界

一人、海が怖いと、海に入らず見学する男の子がいました。
そしてもう一人、喘息のため、同じく浜辺で見学している男の子がいました。

私は彼に、「あの子が海を怖がっているらしい。何でか知ってる?」と聞きました。
彼は私に、「何か前に怖い思いをして、って言ってたよ」といってくれました。
私は彼に、「そうか。(彼に)何かできることがあれば、してあげて。」と言いました。

しばらくすると彼は、喘息が悪化するのを承知で、炎天下の中を、彼と一緒に遊びはじめました。
砂浜を行ったり、来たり。
少しずつ、少しずつ、足を海につけ、水を掛け合い、海に近づいていく二人がいました。

気がつくと二人は、私の前に立っていました。水着を着ていなかった喘息の男の子は、そのままの服でいいから、海に入りたいと申し出ました。
怖がっていた彼も、気が付けば水着になっていました。

足をつけ、お互い遠慮がちに水をかけあいながら、笑顔で遊ぶ ふたり

すると今度は、グループの仲間が、全体水泳を抜けて、彼らの元にやってきました。

怖がっていた彼は、恐る恐る、仲間が持ってきたトウフマットに乗りました。
彼を迎えた仲間たちは、恐る恐る、彼をマットに乗せました。

しばらくすると、海ではしゃぐ、子どもたちの姿がありました。

その中心には、もう海が怖くない、笑っている男の子がいました。
そしてその周りには、ニコニコと笑っている仲間とリーダーがいました。

「海が怖い」

そう言われた時、私たちは何もできないかもしれない。と思いました。
しかし そうではなかった。

子どもたちは勇者のように、未知の領域へ挑み、仲間とともに、見事に乗り越えてしまったのです。

きっと私たちはできる。
子どもたちと、未来の中で。

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Diversityが生まれたキャンプ -Spring 2014

14robbin02テーマであった「多様性(Diversity)」が、まさに表現されたキャンプだった。

参加の小学生、過去参加者で中学生になったジュニアリーダー、そして福島と神戸の大学生、高校生。
またさらに大変多くの大人が積極的にボランティアで関わった。

素晴しい大人たちに囲まれた子どもたちは、本当に楽しそうだった。
同時に、その喜びを分け与えるために、一生懸命だった。

キャンプの最後、涙ながらに桟橋から巣立った多くのいのち。
「未来の指導者」がたくさん生まれたキャンプ。

こうして報告文を打っている今、参加した中学生のジュニアリーダーからの電話が鳴った。

「リーダー無事に帰ってきたよ。楽しかったよ。また手紙書くから。こっちで頑張るからー」

彼にはどんな未来が待っているのか・・・
期待と不安、いや悲しみがこみ上げてきた。

このプログラムの今後の益々の発展、広がりを期待している。

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忘れたくない経験 - Story of Camp Counselor

忘れたくない経験

啓明学院 指宿 ひかり

私は三月三十一日から四月四日まで、四泊五日のYMCA主催である福島の子供たちを香川県の余島と言う島に招いて行うキャンプにリーダーとして参加しました。今回の余島での経験は、本当に楽しく、素晴らしいものでした。しかし、それと同時に今まで感じたことのない戸惑いや口惜しさ、悲しみを知るキャンプでした。
最初の顔合わせのミーティング。高一からは一人の参加で、話をしたことのない先輩ばかりで凄く緊張していました。また、東北大震災における問題意識など、次々に出る難しい質問を考えるのに精一杯で少し不安の残るものでした。しかし二回目のミーティングからは具体的な内容の説明が始まり、このキャンプがどういったものなのか知ることが出来ました。トラウマについての学習を共にしたり、意見交換をするうちに、少しずつ先輩とも話せるようになり、事前勉強をしたこともあり、一回目より話についていけるようになりました。私は、このI am a partner campとは福島の子供たちを余島に招き、ただ一緒に楽しく伸び伸びと過ごすためのキャンプだと思っていました。しかし計四回のミーティングを通して、単に楽しむだけではなく、子供たちが復興というものを考えるためのきっかけを作るためのとても重要なキャンプだと知りました。partner03キャンプの二日前、余島にリーダーとして行く何人かはYMCA主催の、主に東北大震災で被災された方のためのリフレッシュキャンプを行っている「未来を考える会」に参加させていただきました。そこでは実際に震災時東京に住んでいて、その後、兵庫県に放射能などの影響で越して来られた方から現在の福島の事実を聞かせていただきました。その話から、新聞やニュースが伝えていることと実際の様子が全く違うことや、放射能はいまだに危険な量が漏れ続けていること、放射能の影響で原因不明の体調不良になったり亡くなったりする方が四年たった今でも数えきれない程いることを初めて知りました。特に、話をして下さった方の奥さんの友達は事故後七人の子供を流産していて、これはチェルノブイリと同じことが起こっているという話は本当にショックで、現在正しい情報がどれだけ少ないのか、正しい情報を知るのがどれほど大切かということを痛感しました。
そして、キャンプ初日、私は男子八人班のリーダーをしました。先にリーダーが島に行き、キャビンの飾りつけをしました。ギリギリに終わったけれど、今までで一番クオリティが高いとチーフリーダーにも言って頂き嬉しかったです。そして待ちに待った子供たちの到着。みんなハイタッチもしてくれず、緊張しているのが分かりました。私は緊張というのはなかったのですが、話しかけてもあまり子供たちの反応が良くなくて、どうしようという思いを持っていました。でも班のみんなで一つのキャビンに集まり自己紹介をしてあだ名を決めて、軽いゲームをすると次第に緊張が解けた様子でした。そのあとの夕食では子供たちの方から色々な質問が出るようになり、私も何か聞くとすぐに返事が返ってきて、どんどん話が膨らんで、私自身もとても楽しくこの時間を終えることができました。私はその日、阪田さんから大切なことを教わりました。それは子供たちをまとめようとしなくてよいということです。子供たちのしたいことをさせる、この考えをキャンプ二日目から意識しました。そうすることによって子供同士の会話が弾み、責任感が生まれ、グループの中で「今それしてたら皆困るじゃん!」という声が出てきました。私はリーダーがまとめようと焦って指示を出し続けるよりも、締めるところはちゃんとするが、他は子供がしたいようにさせる方が様々な発見ができ、子供たちの中での気付きが倍ほど増えることを実感しました。
私が今回のキャンプで一番印象に残ったのは野外料理です。私自身、何をしたらよいのか、どう指示を出せば効率良く進むのかを考えに考えて必死になっていました。しかし皆が自ら何をすればいいのか考えて洗い物などを進んでしている姿や、野菜をとても上手に切っているのを見て、「もう指示はいらないな、ここからは事前学習で習った放任の時期だな。」と思いました。そしてとにかく見守り、何をしていいか困っている子には声をかけて出来るだけ子供たちだけで作りました。その結果、カレー選手権で一位になることが出来ました。水が少ないというハプニングもあったのですが、どうしたら美味しくなるかを皆でたくさん話し合った結果、一位になれたと思います。本当に嬉しくて、班全員がとても良い顔をして笑っていたのが印象的でした。この後から班の仲が深まり、各自に責任感が生まれたことを感じました。
四日目のカウンシル後の振り返り。とても静かに全員が楽しかったことや、福島に帰ってどうしたいかを発言しました。初日は全員で座って人の話を聞くということが難しかったけれど、このときは本当に一人一人集中して聞いていました。みんなが、それまで口にすることのなかった福島での暮らしや、仮設住宅にいるおじいちゃんとおばあちゃんを早く出してあげたい、と涙ながらに語ってくれるのを聞き、私も涙が溢れてきました。この振り返りは本当に有意義な時間でした。
最終日。朝がいつもより早かったのですが、私も含めみんなすぐに起きて、朝食の時には、歌の振付をいつもしない子がこの日はやっていました。お別れは本当に早く、涙が止まりませんでした。一度きりの出会いというのは別れがこんなにも辛いのか、と自分でも驚くほど悲しく切ない気持ちでした。
私はこのキャンプに参加できて、このメンバーで過ごせることができて本当に幸せでした。こんなにたくさんの失敗と成功、焦りや悩みを感じたのは初めてでした。子供たちに自分で考えさせる時間を与えず、答えを教えてしまうという私自身の欠点を見つけ、そこをカバーするためにはどうしたらよいか色々考えました。また、子供が誰かの傍に寄って行ったりしているときは、伝えたいことや話したいことがある時だと分かってはいたけれど、実際に誰かの傍に行っている時には気付けず声をかけてしまった事も大きな反省です。途中で学ぶことばかりでしたが、本当にすべての経験が楽しかったです。絶対に次も参加して、今回の反省や感じたことを子供たちと過ごす際に活かしたいです。
今回のキャンプに関わってくださった方々、参加する機会を与えてくださった方々、行かせて下さった方々、全ての人に感謝します。本当にありがとうございました!