最新情報

【募集中】キャンプにおける体験デザイン研究協議会(組織キャンプCamp Directorトレーニング)

ご参加にあたって

間も無く申し込みを開始します

1950年から伝統的な組織キャンプを続けてきたYMCA Camp Yoshimaの最後の夏

神戸YMCAは2025年度をもって組織キャンプ場を手放し、余島キャンプの運営から撤退します。撤退に伴う連絡は下記をご覧ください。

撤退に伴う連絡と「余島協議会の発足」について
https://kobeymca-yoshima.jp/center/

100年以上の伝統がある組織キャンプは何を目指してきたのか?

キャンプの目的は人格の涵養である ー 今井鎮雄 1976年野外教育研究協議会の講義にて

「近年、各YMCAキャンプ参加者の低年齢化が目立ちます。この事実の中でいつの間にか人格的な成長を目指すことよりも、子どもたちに健康な遊び場を提供することを両親たちが第一義的に希望したり、せいぜい良いお友達を作ったり良い習慣を作ることに目標を置いていると思われることが多くなりました。従って「楽しいキャンプ」を味わうために近所のお友達と参加させたいのであって、我々が人格形成の場、そしてそれはYMCAとして願う価値の体系をもった小社会の中での体験・経験を与えるという夢は、はづれているように思える」今井鎮雄(1976年・77年 野外教育研究協議会 神戸YMCA×東京YMCA)

環境が強いることなくして少年たちに正しい生活を為さしむる ー 小林弥太郎 1933年キャンプ・アーメックを視察して

「とにかくキャンプ・アーメックに於いて吾人の受けた印象は正しい。環境が強いることなくして少年達に正しい生活を為さしむると云ふことで ある。同時にこの教育的な且つ理想的な生活を子供達自身が喜んで営んでいる点である。 今一つ特に書きたい事はこのキャンプに於いては彼等が基本的動作或は素養と呼んで居る事柄を少なくとも二、三夏の間には知らず識らずの中に殆んど総ての子供に授けることに成功している点である」


組織キャンプ=Organized Campは、人間が健全に育つための環境とそこで訪れるであろう(訪れるべき)体験をOrganized(構造化)したプログラムです。余島は戦後に始まりました。その歩みは今井鎮雄さんの言葉にあるように「人格形成の場」としてキャンプがデザインされていました。そしてさらに時代を遡れば、近代化をキリスト教精神によって支えた先人たちは、アメリカ超越哲学(プラグマティズム)の流れから、「体験」を主軸において構造化された組織キャンプの手法が、「二、三夏の間」に「知らず知らずのうちに」ほとんどすべての青少年に、基本的な素養を身につけさせることを可能にしていると気づき、小林弥太郎によって日本に導入されたのでした。小林弥太郎は神秘的な人物で、若き日にコロンビア大学でジョン・デューイ博士に師事し、後半生は信仰につらぬ帰れた人生を歩みました。

余島のように海に囲まれ、戦争責任という歴史を抱えた組織キャンプ場は他になく、触接学ぶ最後の機会

多様性と包摂性を兼ね備えた、人気のあるキャンプ場

余島キャンプはとても人気があり、この夏も数百名のキャンパーが訪れます。島内には大きく分けて二つのヴィレッジがあり、多様なキャンププログラム、アクティビティが展開されています。
またOne Campには、特に多様な人々が集まります。

    • 100年以上の歴史がある組織キャンプの伝統が根ざしています。
    • 第二次世界大戦を生き延びた青年たちによって始まりました。日本有数の歴史を誇っています。
    • 原生自然に囲まれています。シーカヤックでのエクスペディションも展開しています。
    • 体験デザインされたキャンプ場では、言葉の壁は感じません。

伝統的なキャンプスタイル

4泊5日から11泊12日までの、中長期間のキャンプを主軸としています。
各キャンプの人数は40名〜120名。キャンプスタッフを含めると、島内(キャンプ場内)で過ごす人数は100名から200名ほどになり、
組織キャンプの必要条件である「Living in Democratic Community」を実際に体験します。

キャンプスタッフは、ボランティア・プロフェッショナルに関わらず、キャンプカウンセラー、プログラムディレクター、マネジメントディレクターなどに配置され、キャンプディレクターが統率します。

事前の準備、トレーニングに加え、キャンプ中のミーティングやトレーニングが合理的に組み込まれ、キャンパーもすぐにトレーニングコース(キャンプスタッフになろうとする動機)を身近に感じています。

昔ながらのYMCAスタイル

全人教育を実践しています。人々のSpirit、Mind, Bodyの調和と発展を目標としています。
聖書を読みます。
感謝のお祈りをすることがあります。
イエス・キリストの教えをもとに行動します。
そして、YMCAらしい仲間との、ユーモアに溢れた関係性があります。

組織キャンプトレーニング 概要

トレーニングは「研修」と「実践」、そして評価を含む包括的なプログラムです。
またそれぞれの役割や能力、経験に応じてアレンジできます。

コースA 7月21日(月)〜7月31日(木)
コースB 7月30日(水)〜 8月 9日(土)

トレーニングセッション ※4泊5日

1日目 14時集合・オリエンテーション・見学
2日目 海のアクティビティ1/陸のアクティビティ1
3日目 エクスペディション入門1(カヌーにて無人島泊)
4日目 オフ・スーパーバイズミーティング
5日目 キャンプミーティング・キャンプ準備

以下の項目を含む小講義が期間中に実施されます。
「キャンプカウンセリング、組織キャンプ理解、体験学習、プラグマティズム」

実践セッション ※5泊6日

1日目〜5日目 実践

      • 7月26日〜30日/8月4日〜8日で行われるOne Campのスタッフとして実際にキャンプを運営する。
        役割はトレーニングセッションにて決定します。
      • 役割:キャンプディレクター補佐、プログラムディレクター、マネジメントディレクター、キャンプカウンセラー、ユニットディレクターなど
      • 期間中、夜のアクティビティ後にスタッフミーティングが開催されます。スタッフミーティングでは、トレーニングセッションでも扱った内容及び社会問題、人類学、社会学、哲学等の学問的知見から議論を行います。

6日目 ふりかえり・13時解散

募集要項

主催:神戸YMCAキャンピングサービス

参加費:YMCA関係者無料(食費のみ自己負担 2000円*日数)、その他の方要相談

集合解散:現地

対象:キャンプカウンセラー、組織キャンプに関わるもの、YMCA関係者優先

事前学習&テキスト

書籍

Camp Counseling: Leadership and Programming for the Organized Camp(2012)
1950年の初版から引き継がれているキャンプ実践書。英文。

反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―森本あんり
組織キャンプの発祥の理由、体験学習とはなんであるかを理解する上で必読。

戦後史の正体 1945-2012 孫崎享
日本の戦後史の理解は、体験デザインに必要。

子どもの体験 学びと格差 負の連鎖を断ち切るために おおたとしまさ 
体験格差論に警鐘を鳴らす一冊。

映画

『リバー・ランズ・スルー・イット』
ノーマン・マクリーン原作、ロバート・レッドフォード監督作品。アメリカ超越哲学(プラグマティズム)を理解する上で必見映画。
阪田による解説文を合わせて読んでください。

『ダークナイト』
クリストファー・ノーラン監督作品。バッドマンシリーズ最高傑作。なぜリベラリズムが衰退するのかを浮き彫にする。

『セデック・バレ1と2』

『日本のいちばん長い日』

『シン・レッド・ライン』

組織キャンプとは何か? Organized Camp 体験がデザインされたキャンプ

【インタビュー】YMCAキャンプについて(組織キャンプ)、なぜ社会にキャンプ場とキャンプ体験が必要なのか|キャンプは自然体験活動ではない、デイキャンプからオーバーナイトへ、滞在型から遠征型キャンプへ