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【5月17日〜19日(2泊3日)】体験デザインのためのキャンプディレクター研修会

体験デザインのためのキャンプディレクター研修会

 

申込みはこちら!Webにてエントリー https://forms.gle/f7jrcKVeXf14abTX9

 

体験をどうデザインするのか?

「体験」は人間に「感情を伴った記憶」を植え付けます。

私たちが専門とする、主に北米で確立された「Organized Camping」は1900年代初頭に始まり、戦後は青少年に民主主義を駆動する力を受け渡すための手法として発展しました。
この研修会では、北米でも特にアメリカが今では、民主主義の限界に直面していることも踏まえつつ、「体験デザイン」のための考え方と、それを実装するために必要なトピックを余すことなくお伝えします。

Organized=構造化されたキャンプとは、構造化することも、構造化しないことも含めて、綿密にデザインされます。
会場となるYMCA Camp Yoshimaは、1950年より、第二次世界大戦の反省から民主的な人材を育成するため、そのためだけに設計されたキャンプ場です。

キャンプディレクターに限らす、体験をデザインするすべての人に開かれた研修会です。
キャンプ実践、森のようちえん・学校、教育、福祉、体験活動、親、講師、あらゆる分野に応用可能です。ぜひご参加ください。

キャンプディレクター
阪田晃一

体験デザインとは?

共同体が存在した時代は、豊かな体験群が自然に構成されました。
人も場所も、ひとりの人間が寄り道をしながら成長するのに寛容でした。

今の時代、私たちは意図的にそんな体験をデザインしなければなりません。
日常の「つまらなさ」から抜け出すのです。

体験学習サイクル

私たちは動物と違って、記憶を蓄積します。だから歴史が生まれます。
体験によって私たちは「同じ過ちを二度と繰り返さない」と同時に、「自分の経験は自分以外の人の、未来の、財産に」することもできます。
日本の組織キャンプは、ジョン・デューイ博士に師事した小林弥太郎によって発展してきました。すべての体験活動の根底にある「体験学習サイクル」についても学びを深めましょう。

体験と学問の融合

キャンプ実践などの体験活動を、人々が良きものとして体験するのは、それが実生活から「失われた」からです。
「失われたものの記述としてのキャンプ実践」を続けています。
キャンプ体験が目的化しないような仕方で、体験を、プログラムをデザインしなければなりません。

さっそくこの研修会がそのための時間です。
体験と学問の融合を実践しましょう!

「場」をデザインする

SF作家ジョージ・オーウエルは、「人間の一生は短いからこそ、生きているうちに自分のしたことの結果を見ることができない」と考え、庭に薔薇の木を植えました。
人間の一生を超えて存在する木々の眼差しを大切にしました。
そして「人間の一生は短いからこそ、生きているうちにすることの重み(責任)」を弁えたのです。

会場となる「余島」は、古くは小豆島の人々の生活の地として存在しました。
戦後は、青年たちの奮闘の場として存在しました。

そしてそれらのはるか前から、小島として余島は存在しています。

余島の森は今、楠が大きく伸びる年齢に達しています。
悠久の海は、すべてを包摂するようにそこにあります。

「場」の視座から、人々の営みを省みます。

実践のための知恵

組織キャンプ・・・フロントカントリー(日本の里山的な場所)での活動、生活、場のデザイン、プログラムデザイン

遠征プログラム・・・バックカントリー(原生自然エリア)での活動、生活、プログラムデザイン

キャンプカウンセリング・・・指導者としてのカウンセラーと導き手としてのカウンセラー、シュタイナー教育の4つの気質・7年周期と臨海年齢説、人間と象徴)

環境倫理・・・地球環境に配慮した活動のための考え方(Leave No Trace)、倫理

リスクマネジメント・・・医療関係者に引き継げない時の安定化と搬送(野外救急法)、なにがリスクとなりうるのか?(子どもの実態、保護者の実態、指導者の実態、社会の実態)

人材育成・・・指導者をどう育成するのか(若者論、クオリア論、自意識の檻、宗教性)

事業継承・・・継承とは何か?(生きた概念と死んだ概念、形式と重荷、言葉と言葉の外)

生態学的思考・・・前提・被前提のネットワーク、遊動と定住、法と掟、森の思考、イエス論

※YMCAは「キリスト教青年会」の略称です。参加者の皆さんが希望すれば、キリスト教式のアクティビティも開催可能です。しかし参加を強要するものではありません。

概要

主 催:神戸YMCAキャンピングサービス

日 時:2023年5月17日〜19日 2泊3日

インストラクター:
阪田 晃一 キャンプディレクター
Wilderness Education Association エデュケーター
Leave No Trace Instructor
Wilderness Medical Training Center Assistant Instructor


山本 亮司 キャンプディレクター
WEA Certified Outdoor Leader
LNT Master Educator
Wilderness Medical Training Center Assistant Instructor

定 員:12名

参加費:33,000円(2泊6食、保険代、受講料含む) ※参加費の自己負担が難しい場合はお知らせください。

申込み:Webにてエントリー https://forms.gle/f7jrcKVeXf14abTX9

スケジュールとねらい(予定)

5/17
1300 オリエンテーション「体験デザインとその重要性」
1500 セッション1「体験活動と環境倫理」<体験学習サイクルとそのファシリテーション>
1800 夕食
1900 焚き火とディスカッション

5/18
800 朝食
900 セッション2「滞在型プログラムと遠征プログラムのリアル」<言葉と言葉の外、未規定性、計算不可能性を設計する>
1200 昼食
1400 セッション3「野外救急法:救急隊がこれない中での救命とは?」
1600 ふりかえりセッション
1800 夕食
1900 Movieナイト or 議論 or ナイトプログラム
課題:「私の体験デザイン」の制作

5/19
800 朝食
900 セッション4「私の体験デザイン」発表・参加者同士によるフィードバック
1200 昼食
1300 クロージングセッション「継承とは何か?」
1400 解散

※期間中、カヌーやカヤックをします。
※焚き火をします。
※森の中で活動します。木こりもあります。
※希望者は野営も可能です。

持ち物 ※以下を含んでください。

動きやすい服装、防寒着(フリース程度)、レインウエア(上下別のもの)、サンダル、水着、アンダータイツ上下(ヒートテックのようなもので可)、軍手、帽子、マグカップなど、

綿や皮素材のシャツなど ※化学繊維衣料は、火にとても弱いため、焚き火の活動に適していません。

2泊3日の着替え、タオル、洗面具など ※お風呂に石鹸はあります。

以下、持っていれば持参可能

シュラフ(寝袋)、ヘッドランプなど

 

ようこそ! キャンプ実践の始まりへ

YMCAが青少年育成のために伝統的に行うサマーキャンプは、体験学習のメカニズムを理解し最大限に引き出すための装置です。
日本では1920年ごろから始まりました。

YMCA Camp Yoshima

ここ余島は、1950年よりキャンプ場として歩みをスタートした、組織キャンプのためだけにデザインされたキャンプ場です。
四方を海に囲まれ、こぢんまりとした島内には豊かな森もあり、さまざまなアクティビティを体験することができます。

Camp Director

キャンプの最高責任者をCamp Directorと呼びます。
Program Directorはプログラム執行に責任を持ち、キャンプカウンセラーはキャンパーの指導的立場として、導き手として体験を共にします。
日本では大学生がボランティアで従事することが多いです。

よりハイレベルの研修会へ

本研修会は、そのコンセプトを理解し実践へ向けてさらなるステップアップを希望される方の、「エクスペディションプログラム」への参加条件の一つとなります。

さらにそれぞれ専門のライセンスを獲得するためのコース(Leave No Trace、野外救急法、WEAアウトドアリーダー、キャンプディレクターなど)への接続が可能です。