One Camp. Microcosm of the real world. est in YOSHIMA

One CampReport 2024

2024.7.27(SAT) - 31(WED)

ふと五十嵐さんが、この言葉を聞いて言った。「One Campに来てる人たちはさ、切実だよね。本気だよ。だから言葉の重みが違う」。五十嵐さんの言葉はいつもずっしりと心に響いてくる。「生きるんだ」という生のエネルギーに誰よりも極限の状態で触れているからだと思う。クライマーの死に、涙していた。「阪田リーダーがいなくなったら、のぶくんどうしよう」。それまで楽しく腕相撲をしていた森本さんが笑いながら言う。「この言葉は重いな」。そうだ。本当に重い。カウンシルファイヤーの火は、いつもに比べて軽やかに見えた。その後も軽やかさを失わないように燃えているようだった。「ここに来ると、いつものみんなに会えて、海でも遊べて、とても楽しいです。だからまた来年も来ます」。ケイユウのとてもシンプルな言葉が並んでいる。いや違う。率直なのだ。想いを伝えることに真摯なのだ。軽々しく言葉を使う人間もどきとは違う。言葉が軽い人々に会うとげんなりする。ニーチェはこれを「大いなる軽蔑」と言った。「このカウンシルファイヤーの火は、見る人の心によって変わると思う。1回目は、僕は高校生だった。こんな静かな火があるんだなって思ったのを覚えています。

2回目の去年は、本当に大変な時だった。落ちている時だった。だから火が暖かかった。そして今年は僕は落ち着いているから、落ち着いてこの火を見れる。余島の話を聞いて、悲しいなと思います」。ユメトがこんな言葉を内に秘めていたなんて。北京から始めて余島に来た母。「ここにはなにもないけれどぜんぶある。空気も海も、森も、そういったものが価値あるものだと知った」。これはすごいカウンシルファイヤーだなと思った。すべての言葉は僕に重く重くのしかかった。しかし不思議と重くない。その言葉がのしかかっている自分を、他人のように見ている。比べることはできないけれど、もし僕が普通の人で、このキャンプの責任者だったら、これらの言葉に押しつぶされてしまうだろうと。でも同時にこうも思った。こんな重い言葉が出てくるようなキャンプを、普通の人はそもそもできないだろうと。当事者だから言えないことがたくさんある。だからこの文章にはちょっとだけ、当事者としての言葉を綴っている。ラルフ・ウォルト・エマソンも言葉の重みを知っていたのですべてを日記に記した。ジョン・デューイはだから「火は暖めるもの、燃えるものにとどまらず、生命の象徴だ」と言った。小林弥太郎は後半生、教会で「心の内から湧き上がる声」を待ち続けた。そして余島はそれらの光を受け継ぎ歴史を刻んできた。

One Campには言葉の力が溢れている。僕の気持ちは安らぐ。何に向かっていけばいいか、みんなといると明らかだからだ。

Camp Director 阪田晃一

Message One Camp Summer 2024

日程
2024年7月27日~31日 4泊5日
場所
YMCA余島野外活動センター
参加者
33名
主催
OneCamp実行委員会
運営
公益財団法人神戸YMCA
協力
パートナーお一人おひとりの皆さま
Ladies & Gentlemenよしましよ、アン・コラージュ、はんしん自立の家、サントリーホールディングス株式会社、non-standard world, Inc.、社会福祉法人神戸YMCA福祉会、京都YWCA、別所さん

One Camp社の重役会議 議事録

日時:2024年7月30日深夜
場所:余島インフォメーションセンター
出席:のぶくん、かなた、かずやくん、たかしくん、たきざわせんせい、らな、まつたに、さかた

社長のぶくん・・・来年はいいとして、再来年僕らはどうしたらいいかなー。余島がないと困っちゃうなー。
副社長かなた・・・うん、困る。
役員かずやくん・・・のぶくんさ、でも大丈夫だよ。みんなでやればなんとなるよ。さかたさん、やまもとさんも一生懸命考えてるよ。
たきざわせんせい・・・うんうん。
まつたに・・・(ごくごく)。そうだよ。
社長のぶくん・・・阪田リーダーに会えなくなったらどうしよう。こまっちゃうな。
役員たかしくん・・・ほんまやな。みんなの言葉は重いなー。
役員かずやくん・・・みんなで働くのはどう?好きな人たちでさ、働いてもいいと思うよ余島で。
社長のぶくん・・・そうか!でもいつも支援員さんたちたくさん手伝ってもらってるから、、、
さかたさん・・・・のぶくん、それはさ、手伝ってくれる人たくさんいるよ。僕はさ、One Campやっててみんなの雇用が心配だったんだよ。
役員かずやくん・・・うん。できるよ。自分たちで会社作っちゃえばいいんだよ。なんでもできる。ズコーって!
らな・・・トイレ掃除はわたしが、、
社長のぶくん・・・ゲゲゲゲー!いえーい!やったー!

以上 承認

Message One Camp日誌 - キャンプディレクターの日記

今年は暑い。とても暑い。日焼けしたと思ったらまた日焼けする。コロナの不況を乗り切るために人を減らしたから、まだそれが尾を引いている。キャンプ場のすべての仕事を数人で回している。でも仲良しだからなんてことはない。子どもも大人も、よくわかってる人は手伝ってくれる。

余島の歴史は長いけれど、その歴史を正当に理解している人は少ないと思う。特にここ10年は伝統の良さを失わせずに変革した。その良さを口で説明できる人にはほとんど出会わない。五十嵐さんはOne Campを初めて見て「阪田さんらしい島になったよね」と言ってくれたと言う。森本さんはこの島は自由でいいよねという人に「彼がマネージャーだからだよ」と言ってくれた。よくわかっているなと思う。

かなたもゆめとも、戦友のような感じがする。立派になったなとも思う。のぶくんはあいかわらず。けいゆうはゆっくりだけど嬉しそうな顔をする。たけまくんは精悍になって。カルーナもファンファンのとこも。何も募集してないのにこんなに集まる。

キャンパーのみんなに一時間半に渡って余島の現状を話した。「公共性」がテーマだったけど、カルーナの一人が「自分はまだ参加者だけどいつか当事者に」と言っていたと聞いた。すごいことだ。カウンシルファイヤーで確信した。これまで説明した中で誰よりも本当のところをわかっているキャンパーたちだ。

ちゃんと対話せよ、と思う。余島にいて、余島が置かれた状況を説明すると、みんなさまざまな反応をする。でも率直だから、徴候的に物事を捉えることができる。多くのことはどうでもいい。言葉ですっきりすることもない。言葉にだけ振り回される人にうんざりする。でもよくわかる。だからいい。

Camp Director 阪田晃一