キャンプカウンセラー
サラさん(高校生)より
LIT Leader in Training
多様性を体感するキャンプ
今からキャンパー達が船で到着するというのに、私はせわしなくうろうろしていた。緊張、不安、初めてカウンセラーとしてキャンプに参加する人はそのような気持ちだろう。私も同じ気持ちだった、キャンパー達と会うまでは。船から降りてくるキャンパー達をみて私は恐怖の気持ちでいっぱいになった。
今年私はリーダートレーニング(LIT)としてOne Campという神戸YMCA主催のキャンプに参加した。福岡YMCAや福島(原発の被害)、台湾、北京からのキャンパーも合流した総勢約150人の大きなキャンプだ。
One Campの特徴は、誰でも参加できるというところだ。障害者、施設に入っている人、大人、子供、誰もが来て良い自由なキャンプだ。事情があり偽名で来ている子、ダウン症の子、障害がある大人、その人達の母親全員が同じキャンパーとして接し合って過ごした4泊5日だった。
私は最初にキャンパーを迎えた時、私よりはるかに大きい人や、障害のある人、日本語を喋れない人にどう接すればいいのか分からなかった。私が怖がっていることに敏感な人達にはすぐ伝わってしまうので、自分の感情を押さえて、自分が一番怖がっていた大人の障害者の人に話しかけるよう積極的に頑張った。けれど、そううまくはいかなく、ビクビクしてしまう自分が悔しかった。
しかし、日がたつにつれて、私は自分が何を怖がっていたのか分からなくなっていた。そして私はやっと気づくことができた。私自身や、私の周りにいる人、障害のある人は同じ人間であり、怖がらないで他の人と同じ接し方をすればよいことを。このキャンプに行くまでは、親や大人、たくさんの人にそう言い聞かされているだけで、自分では分かっているつもりでいた。けれど、これは自分で体験して実感しないと分からないということを知ることができた。障害がある人を“問題がある人”という枠に入れずに、同じ人間として接するということを私だけではなく何人かのキャンパー達も分かっている様子だった。そのキャンパー達は、キャンプのアクティビィティーの時、障害がある人達と戸惑いもせずに一緒に遊んでいた。私の身の回りにいる人、SNSやテレビなどで、言葉だけで障害がある人への差別を良くないと言っている人よりも、キャンパーの方が本当に理解しているのだろうなと思った。
私は、このキャンプにまだ一回しか参加していないので、キャンプディレクターが伝えたいメッセージを全部理解することができなったかもしれない。だが、毎年このキャンプに通えば、また新たなことを学ぶことができると思う。楽しむだけのキャンプではなく、参加しているキャンパー達からも色々学ぶことができた。これからの自分の生活にも生かすことができる大切な経験だった。