様々な背景を持った参加者がそれぞれの場所から余島を目指し、昼過ぎにようやく皆が揃いました。余島の桟橋には「ようこそ!」と太鼓をたたいて迎えてくれるたくさんの人がいました。着いた瞬間走り出したり、さっそく海に飛び込んだり、カヌーに乗ってみたり、部屋でゆっくりしたり、散歩をしたり、余島のいろいろなところから話し声や笑い声が響き、みんなの緊張や不安がだんだん期待や楽しさに変わっていったようでした。
キャンプ2日目。初めて余島で迎える朝は晴れ渡っていました。カヌーやカヤックに乗って反対の浜を目指したり、余島を探検したり、楽器をひいたり、キャビンでゆっくりしたり……みんな思い思いの過ごし方を楽しんでいました。ご飯は余島にいる全員が食堂に集まって、いただきます。途中参加の新たなメンバーも加わって、余島のどこに行っても誰かがいる、とても賑やかなキャンプ場でした。
キャンプ3日目。まさかの逆走台風が余島を襲いました。もちろん外には出られないし、食料やスタッフさんは余島までたどり着けませんでした。台風の時の過ごし方を確認して、少し風がおさまった時に大研修室に集まり歌を歌ったり、One Campの旗を作ったりしました。北京から参加した子どもたちと出し物を披露しあい、お互いの文化を感じる時間となりました。台風のおかげで「自然のこわさ」を体感し、その試練を、同じ場所で風をしのぎ乗り越えたことで距離がグッと近づいた気がしました。
3日目の朝、台風が過ぎ去るのを待ちながら、食堂にいたみんなで腕相撲をして盛り上がりました。腕相撲は2人でやるものですが、楽しいのは2人だけではなく、それを見守る周りの人たちも自然と笑顔になれる楽しい瞬間でした。外は台風でも"Camp is fun"でした。
今回One Campには、身体的、心理発達的、そして社会的に異なるバックグラウンドを持つキャンパーが参加しました。海で遊ぶ人、海を眺める人、エンジェルロードを歩く人、貝殻を拾う人、海の中で遊ぶ人。様々な過ごし方が、その多様なバックグラウンドを表しているようでした。同じ場所にいて、自分の好きなことをしながら、似たような気持ちになる。そんな時間がゆっくりと流れるユニットの時間でした。
キャンプ4日目の最後の夜は、パーティーをして過ごしました。パーティーに並ぶご飯は、お昼過ぎからみんなで準備に取り掛かかった大作ばかり。北京から参加した子どもたちと本場の餃子づくり!は盛り上がりました。夕方にはたくさんの食べ物がグランドに並びました。特別ゲストのジャズ演奏を楽しみ、みんなでゲームをしたり、歌を歌ったり、様々な人と会話を楽しみました。だんだん暗くなっていく空を見て、キャンプが終わる寂しさを抑えられませんでした。
総勢約150名がファイヤー場をうめつくしました。暗闇の中、一点の火を見つめ、それぞれがキャンプをふりかえります。「ぜひ、キャンプの感想をみんなに聞かせてください」。キャンプディレクターのその言葉を受けて、束の間の沈黙ののち、1人のキャンパーが立ち上がりました。「キャンプ、本当に楽しかった!来年も絶対来たい!」彼に続くように、みんなが思いを伝えていきました。「最初は不安だった。でもキャンプが本当に楽しくて、今は国に帰りたくない」。涙ながらに話す北京から来た女の子の言葉は、中国語でしたが強く私たちに伝わりました。言葉の壁を越え、私たちがひとつであると感じた瞬間でした。
キャンプ5日目。最後の朝、みんな余島を離れる寂しさと家に帰れる嬉しさが入り混じった様子でした。最後に海のホールに集まって、5日間歌い続けたたくさんの歌を歌いながら、キャンプの終わりに向けてそれぞれが心の中の大きなうねりを、自分のものにするために一生懸命噛み砕いています。Michaelを歌いながら、真っ黒に日焼けしたキャンパー達はそれぞれの帰路につきます。余島からの船出は「ありがとう!」と「また会おうね!」でいっぱいです。キャンプで出会った仲間と別れる寂しさを噛み締めながら、キャンプが終わっていきました。
One Camp 思い出会
12月2日 千刈キャンプにて(兵庫県三田市)
夏のキャンプの思い出会として実施したデイキャンプには、約20人のキャンパーが集まりました。みんなで火を起こし、手作りのピザを焼きました。生地を用意したり、薪を集めたり、食材を並べたり、それぞれ得意な分野を活かして動きました。中には、別のデイキャンプに来ている小学生のところへいき、薪を集めたり火起こしを手伝う人もいました。
また、ひとりひとりが持ち寄ったマシュマロやクラッカーにアレンジを加えて、焚き火を囲んで団欒を楽しんでいました。One Campから約5ヶ月が経ち、久しぶりの再会となり、さらに仲を深めることができて、とても楽しい1日でした。解散の時、「また来たい」「次はリーダーになりたい」という声もありました。このキャンプが来年もその先もずっと続いて、続けるために自分もできることをしたいと思いました。