福島から来た子どもたち – Spring Camp 2015

kids_from_fukushima福島から来た子どもたち

震災から4年が経ち、子どもたちの様子は変わりました。
春の冷たい雨に迎えられた子どもたち。
一人ひとり一生懸命に生きる姿は、雨の中に頼もしく、そして悲しく映りました。
2015年3月、第4回目となる「I’m a Partner スプリングキャンプ2015」が行なわれました。福島からやってきた25名の子どもたちは4泊5日、元気に自然の中で過ごしました。写真は、食堂での子どもたちの笑顔です。とても無邪気で、楽しそうで、幸せそうな子どもたち。豊かな自然と、ゆっくりと流れる時間、そしてとにかく一生懸命なボランティアリーダー。何より、目に見えない多くの支援者の皆様の愛情を受けて、子どもたちは日に日に表情を和らげていきました。
キャンプ最終日、雨が降りました。雨の森を案内すると「福島の雨は汚いからな。」と呟く子どももいました。だんだん強くなる雨が葉を鳴らす音を聞きながら、森に入り、途中、木々を揺らしながら雨水を体いっぱいに浴び、仲間との会話も増え、笑い声とワクワクした気持ちで進みました。森を抜けるころに小ぶりになった雨は、今度は優しく私たちに降り注ぎました。気がつくと、何人かの子どもたちが踊りだしました。硬く閉ざされていた子どもたちの心を、この雨は少しだけ開いてくれたようでした。
私たちの「子どもたちとの約束」は、キャンプを今後も続けていくことです。「今度はリーダーになって、みんなを引っ張る存在となって帰ってきてほしい。」その思いは子どもたちに確実に伝わり、子どもたちを送り出した保護者の皆さんからも、たくさんの感謝の声が届きました。
「いつか子どもたちにも、社会に恩を返す大人に育ってほしい-。」
支援者の皆様、いつもご理解、ご支援をありがとうございます。25名の子どもたちが、未来での再会を願ってこのキャンプを去って行きました。これからも一人でも多くの子どもたちを、そして困っている人々を迎え送り出す。そんなキャンプであり続けたい。雲間からこぼれ落ちる夕陽に、そう思いました。

キャンプディレクター 阪田晃一(神戸YMCA)

概 要

第4回 I’m a Partner スプリングキャンプ2015
日程:2015年3月31日〜4月4日 4泊5日
於:YMCA余島野外活動センター
招待者数:25名(福島の小学4年生〜6年生)ボランティア数:18名
実施費用:2,277,582
寄付金:2,277,582
公益財団法人木口福祉財団財団100万円助成
協 力:神戸YMCA
主 催:Ladies & Gentlmen よしましよ

「みんなが、それまで口にすることのなかった福島での暮らしや、仮設住宅にいるおじいちゃんとおばあちゃんを早く出してあげたい、と涙ながらに語ってくれるのを聞き、私も涙が溢れてきました。最終日、朝がいつもより早くきて、私も含めみんなすぐに起きました。お別れは本当に早く、涙が止まりませんでした」
-あるカウンセラーの言葉

「子どもに保養キャンプのことを聞いてみると『福島は放射能 がひどいから、安全なところに保養しに行って、みんなでキャンプするんだ』と話してくれて、自分のバックグラウンドを他人に話すのに慣れているといった印象を受けました」
-あるカウンセラーの言葉

33
雨の中、カメラを振り返る少女は、もの哀しげな顔をしています。福島で人々は、原発の影響の有無にかかわらず、「影響があるかもしれない」という見えない「ストレス」にさらされています。震災当時小学校1年生だった子どもは5年生になり、小学校に通うすべての期間を原発の影響下で過ごしたことになります。
これから、私たちは何をすべきなのか?この問いに向かって挑み続けます。

Leave a Comment

Required fields are marked *.